【JOHN LOBB 半年の経年変化】ジョンロブ hampstead
最早購入してから7ヶ月程経ってしまいましたが、John Lobb HAMPSTEADの半年間の経年変化を見ていきたいと思います。
購入直後
kutsu402647i.hatenablog.com
3ヶ月後
半年後
一度大雨に降られてしまい、最高級のカーフを使用した柔らかい革質が仇となったのか、直後の型崩れが凄まじく、非常に後悔致しました。
何となく半年にしては深い皺が刻まれている気がするのはそのせいです。
コードバンでなくとも、良い革質の靴程雨の可能性がある場合は履かない方が良いという非常に良い教訓になりました。(当たり前のことかもしれませんが…)
ただ、革質は流石は革靴の王様と称されるだけあり、非常にきめ細かい革質が見ていて癒されます。例えばクロケットアンドジョーンズのオードリー3と比較しても、きめ細やかな革が生み出す光沢は、John Lobbに分があります。
右: オードリー3、左: ジョンロブ hampstead(写真で見るとあまり変わらない様に見えますが…)
最近は汚れ落としとしてツーフェイスローション、乳化性クリームとしてコロンブスと東急ハンズのコラボレーションクリーム(コスパ良し!)、ワックスとして下地にサフィールビーズワックス、その上からリンカーンワックスを使っています。
半年間履いた履き心地
サイズは6E、ラストは7000です。
ジョンロブの7000ラストは2001年に登場したラストであり、ストレートチップの最高峰として誉高いシティ2や、上級ラインであるパンチドキャップトゥのフィリップ2でも使用されている名ラストとされています。
何よりもまず言えることは、カカトが超緩いです。というよりカカトを入れる履き口がめちゃくちゃ広いです。
日本人のカカトは小さめと良く言われており、私の足は取り分け細い部類なので、クロケットアンドジョーンズのオードリー3でもカカトが浮く感覚が少し気になっていましたが、その比では無いです。下記の同じ6Eであるオードリー3と比較すると、カカトを入れる部分の広さの違いが良く分かります。
そのため、シューレースをキツめに縛って履いていますが、これがまた足の甲が痛くなるのです。
オードリー3と比較してみると、オードリー3の方がアイレット部分から履きジワが入っている部分にかけて、緩やかに下がってきていることが分かります。
John Lobb hampstead(アイレット部分から一気に下降しており、履きジワの入る部分の高さが低い)
クロケットアンドジョーンズ オードリー3(アイレット部分からストレートチップ部分にかけて、なだらかに低下している)
COVID19の影響下でそこまで履けていないため、この点は今後革が伸びてフィットしていくことに期待です。
勿論足の形は人それぞれですので、以上で述べた着用感は一概に日本人全員に当てはまるものではありません。
一方で、やはり高価な靴ですので、購入する際には必ず試着の上、上記のポイントを確かめてみてから購入することをオススメします。
ただ、やはり革靴の王様と言われる素晴らしい革質を誇るジョンロブですので、履いている時の高揚感は溜まりません。
ノーサンプトンで手に入れた思い出の靴のため、今後も大切に育てていきたいと思います!
【Edward Green 半年のエイジング】エドワードグリーン sandringham
今年の1月末に購入したエドワードグリーン sandringhamのエイジングを記載したいと思います。
購入時はこちら
kutsu402647i.hatenablog.com
3ヶ月
半年
少し皺が入ってきてはいますが、コロナウイルスの影響で現状そこまで履けていないことから、あまりエイジングは進んでいない印象です。ただし、こちらは後述する革質の影響もあると思われます。
クレム1925のライトブラウンで全体を磨き、トゥとヒール部分はタバコブラウンのワックスを用いて、何ちゃってビンテージ磨きを施しています。
半年間履いた履き心地
ラストはエドワードグリーンの名作ラスト202です。
202ラストは丸みを帯びていることから、非常に日本人の足に合うラストとされています。
その情報通り、johnlobbやクロケットアンドジョーンズで感じるかかとが浮く感じも無く、非常に足にフィットしており、履いていて心地良いです。
ただ、革質が肉厚なためか、歩く際の革靴自体の反り返りが少なく感じます。
その点で今のところ不自由した事はありませんが、あくまでも私見として少し躓き易いような感覚があり、補強のためにトゥスチールをつけていますが、それがまた躓き易さを増長している気がします。
半年間履いてみた革質
革質は「素晴らしい」の一言です。
肉厚かつ堅牢でありながら、革質が良いためか、きめ細やかな皺が入っています。
艶やかな質感が見ていて心を癒されます!
こちらはファクトリーショップで購入したアウトレット品ですので、少しブローグの穴が欠けていたりしますが、造りや革質については、流石はエドワードグリーンよろしく非常に上質で素晴らしいの一言に尽きます!(ボキャブラリーが…)
色合いとしても、まさに今後の経年変化が楽しみな一足です!
【馬毛ブラシ】コードバンシューズのお手入れに最適なブラシを手に入れました!
コードバンシューズのあたかも陶器のようなきめ細やかな革に皺が刻まれた様は、あたかも芸術品を眺めているような心地になる程美しいです。(出だしから変態アクセル全開です)
願わくば、そのきめ細やかな表面に少しでも傷が入らずに保ちたいものです。(傷が入るのも一つのアジだと個人的には思いますが。)
そこで悩ましいのは、どのブラシを使用して磨くかです。
靴磨き用のブラシとしては、埃落とし用の馬毛ブラシ、磨き用の豚毛ブラシ、仕上げ用の山羊毛ブラシがあり、山羊毛<馬毛<豚毛の順で硬くなることは皆様ご存知の通りです。
(左から山羊毛、馬毛、豚毛)
もしかすると全く問題無いのかもしれませんが、コードバンの場合は硬質な豚毛ブラシでガシガシ磨いてしまうと、表面に傷が入ってしまうのでは無いかという多少の懸念があり、私は乳化性クリームを磨き込む際に豚毛ブラシではなく、馬毛ブラシを使用していました。
一方で、乳化性クリームで磨き込むにあたっては、馬毛ブラシではどうしてもコシが足りない点が気になっており、クリームが充分に浸透しているのかが不安でした。
そこで、馬毛ブラシと豚毛ブラシの中間くらいの硬さの物は無いかなとつくづく考えておりました。
ある日インスタグラムを見ていると、お洒落なブラシを投稿されている方がいらっしゃり、調べてみると、まさに探していたブラシを発見することが出来ました!
ショージワークスさんの馬毛ブラシです。
埃落とし用、靴磨き用のブラシをそれぞれ馬毛で販売されています。
靴磨き用のブラシは弾力性のある白毛馬の毛を使用しており、馬毛ブラシでありながら、コシのあるブラシとなっているようです。
上記サイトの説明を読むや否や、ポチりました。
お洒落な箱が届きました。
非常にお洒落なブラシです!
毛の長さは3cm程度で、大きさの割には長めです。
早速オールデン1339で試してみます。(前回磨いてから履いていなかったので、そもそも綺麗です。梅雨も挟んだので、一応お手入れしてみました。)
下記道具を左から使用し、古いクリーム落とし、リッチモイスチャーで栄養補給、オールデン純正クリームで艶出しを行います。
オールデンの純正クリームを指で塗りこんだ直後がこちら
そしていよいよショージブラシの登場です。
ブラシで磨いた後
全工程終了後
使用実感としては、馬毛でありながらもしっかりとしたコシと弾力性がある磨き心地で、しかしながら豚毛で磨く「ガシガシ感」はなく、柔と剛を適度に兼ね備えた、まさに求めていた磨き心地でした!
埃落とし用の馬毛ブラシを使用していた際でも、ブラッシング後にセーム革で余分なクリームを拭き取り、フィニッシングブラシを使用することで綺麗に仕上げることはできていたのですが、やはりブラッシング後にクリームの跡が靴表面に残っており、クリームがしっかり浸透しているのかが気になっていました。
今回、ショージブラシを使用することによって、クリームが靴全体に浸透していることが実感できます!
ブラシにこだわり出したのはごく最近なのですが、色々と違いがあり、奥深いです。
今後は豚毛ブラシについても、色々と試してみたいと思います。
【靴磨き】クレム1925はクレム1925で落とすのがいいらしい
靴クリームには大別して乳化性クリームと油性クリームがあると思います。
乳化性クリームは栄養補給や保革と艶出し、油性クリームは主にワックスとして、鏡面磨きに使用されます。
鏡面磨きは、屈折が入る箇所に施すとヒビ割れてしまうことから、硬質であるトゥとヒールに施すもので、全体的には使用出来ません。
そこで、あたかも乳化性クリームのように靴のライニング全体に使用可能なのがクレム1925です。
クレム1925は、油性クリームであり、ビーズワックス、カルナバワックス、シアバターが含まれています。
油性クリームながら、ワックスと比較すると非常に伸びやすく、なおかつ栄養分や保革成分も含有されることから、乳化性クリーム同様に使用出来ます。
ワックス成分も含んでいることから非常に綺麗な艶が出るため、多くの方もクレム1925を乳化性クリームとして愛用されているのではないでしょうか。
一方で、馴染むワックスのような性質を持つクレム1925は、なかなか落ちづらいところがあります。
個人的にはステインリムーバーを使用することでまぁ落ちるだろうと思っていたのですが、水性のクリーナーを使用してもワックスによる鏡面磨きが充分に落ちないのと同様に、油性クリームであるクレム1925も充分落ちないようです。
落ちきらないと何が起こるかというと、革内に染み込んだクリームが酸化してしまい、革に悪影響を与えてしまうとのことです。
私のBALLY scribeは乾燥しがちですが、長らくクレム1925で手入れをしていたことから、古いクリームが充分に落ちきっていないことが原因な気がします。(大雨に何度か打たれたことも大きいですが…)
(クラックライクな皺も出てきている始末…)
では、どうやってクレム1925を落とせば良いのか?
それは、クレム1925でケアした靴は、クレム1925のニュートラル(つまり色無しのクレム1925)で落とすということのようです。
クレム1925のニュートラルには有機溶剤が含まれていることから、ワックスを落とす際など、ある種のクリーナーとして使用出来るのは有名な話です。
有機溶剤が含まれる上に、クレム1925と同成分が含まれることから、古いクレム1925が新たに塗ったクレム1925に溶け込むことで落ちていくようです。
そのため、クレム1925でケアした革靴をケアする場合には、クリーナーを使う前に、クレム1925ニュートラルを塗る→クリーナーで落とす→クレム1925ニュートラルを塗る→クリーナーを落とす…のフローを何度か行う必要があるようです。
鏡面磨きを落とした状態のBALLY scribeで早速やっていきます。
①クレム1925ニュートラルを全体に薄く塗布
②豚毛ブラシでブラッシング
③ブートブラックのツーフェイスローションで全体を優しく落とす
今回は水性リムーバーの中でも比較的強めなツーフェイスローションを使用してみました。
強めといっても、ガシガシ擦らなければ、特に銀面を傷つけることは無い様です。
ガシガシ擦ると銀面が傷つくのはどのリムーバーも同じですので、ツーフェイスローションは革にダメージを与えるほどのものでは無いと考えて差し支え無いと思います。
ただし優しく使ってあげましょう。
①〜③のサイクルを3回ほど繰り返しました。
④リッチモイスチャーで保湿
クレム1925は油性クリームのため、乾燥が大敵です。そのため、塗布前にリッチモイスチャーで充分に
保湿しておきます。
⑤クレム1925を塗布
指で薄く塗りましょう!人差し指をクレム1925表面に軽くタッチする×2回で靴1足全体に充分に塗布可能です!
⑥豚毛ブラシでブラッシング後、余分なクリームを拭き落とす
クレム1925の場合は厚塗りすると、ワックスと同じでシワが入るとヒビ割れます。
そのため、余分なクリームもしっかり落としましょう。
⑦鏡面磨き+フィニッシングブラシでブラッシング
⑧完成!
タピールレーダーオイルを使用してモチモチ感が復活したと思っていましたが、私の靴磨き方法に問題があり、ダメージを与えていた可能性があるとは、まだまだ勉強不足を痛感しました。
これで復活してくれると良いのですが…
また、クレム1925を塗る→リムーバーで汚れを落とすの工程を何度か繰り返すことについても、革靴への負担が少し心配です。
鏡面磨きを落とす際のフルメンテを行う際に行うくらいの頻度が良さそうです。
そのため、普段のお手入れはツーフェイスローション→リッチモイスチャー→クレム1925→鏡面磨きの工程を行い、フルメンテを行う4ヶ月に1回くらいの頻度でこの工程を行ってみて様子を見たいと思います。
失敗を繰り返しながら学んでいくしか無いという点、靴磨きは非常に奥深いです。
【パラブーツ】アヴィニョン avingon 半年の経年変化
念願のパリで購入したparaboots avingonです。
今年は長い梅雨ということもあり、つい最近までビジネスからプライベートまで大活躍してくれました!
そんなアヴィニョンの購入してから半年のエイジングを見て行きたいと思います。
購入後
購入後3ヶ月
少し皺が入ってきています。
側面が非常に綺麗です!!
購入後半年
輝きは増すばかりです!
自社生産にこだわるラバーソールで、しっかりと地面に踏み込んで歩けることから、非常に歩き心地が良く、疲れを感じません。
雨の日でも晴れの日でも、良く歩く!と決めた日には持ってこいです。
おかげで雨の日でも楽しく散歩を堪能することが出来ました!
今年の長い梅雨ではほとんどこちらを履いていました。
それでも全く輝きが色褪せない点で、流石はパラブーツと言えます。
タピールレーダーオイルで汚れを落とし、1日後にリッチモイスチャーをデリケートクリームとして使用し、パラブーツの純正クリームを塗るという、オイル塗れのお手入れをしています。
梅雨が明け、少し活躍の機会は減るかもしれませんが、今年の大活躍に感謝の意を込めて、しっかりと手入れして行きたいと思います!
豚毛ブラシを値段別に比較してみる
靴磨きについては、ホコリ落としに使う馬毛ブラシ、靴クリームを馴染ませるために使う豚毛ブラシ、仕上げに使う山羊毛ブラシがあります。
山羊毛ブラシについては、以前少し記載させていただきました。
kutsu402647i.hatenablog.com
今回は豚毛ブラシです。
私が有している豚毛ブラシは下記です。
左から、 ①ハリスブラシ (1200円)、②コロンブスの豚毛ブラシ(3000円) 、 ③寺沢ブラシの豚毛ブラシ(最近新しく購入!)(5900円)
見事に価格がバラついています。少しだけそれぞれ紹介してみます。
①ハリスブラシ(1200円)
社会人になってから、リーガルの靴を購入した際に、馬毛ブラシと共に初めて購入した豚毛ブラシです。かれこれ5年くらい使っています。
当時は3万円の靴でも「高い!」と尻込みしたくらいなので、当時の私が今の私を見たら、果たして何を思うのでしょうか。
②コロンブスの豚毛ブラシ(3000円)
こちらは日本産の豚毛ブラシです。
持ち手の木材が日本産の山桜を使用しています。
「ブラシが育つ」という言葉が豚毛、山羊毛のブラシに対して良く使われますが、要は毛先に乳化性クリームやワックスが適度に馴染んでいるため、わざわざ乳化性クリームやワックスを付けずとも、そのブラシを用いて磨くだけでツヤが出る状態を指します。
このブラシは結構いい感じに育ってきているのではないでしょうか。
2年程使っており、主に茶系の靴に使っていますが、私が有する茶系のクリームはクレム1925のみのため、毛先のクリームはクレム1925純正です。
本当にこのブラシは育っているのか、検証の記事も今後書いてみたいと思います。
③寺沢ブラシの豚毛ブラシ(5900円)
インスタグラムを見ていると、使用されている方が多く、気になって最近新しく購入しました。
持ち手のデザインが何とも可愛いらしいです。
寺沢ブラシさんは、手植えでのブラシ作成にこだわった老舗のブラシメーカーさんです。
手植えブラシを使用するメリットとしては、機械仕込みと比較して、手作業で一穴ずつ毛を植え込んでいることから、毛が抜けにくいようです。
www.terasawa-brush.com
寺沢ブラシさんはインスタグラムもされているので、是非ご覧になってみてください。
instagram.com
ここからそれぞれのブラシを様々な角度から比較していきます。
毛の密度
当然毛の密度が濃い方が、磨く際の効率は良いわけです。
密度を比較すると、やはり最も値段の高い③寺沢ブラシが密度が濃いです。
また、密度が濃い分、触った感触としてコシは最も寺沢ブラシがあるため、磨きやすそうです。
毛の抜けにくさ
①ジャーマンブラシ、②コロンブスのブラシ双方に恐らく機械仕込みで、③寺沢ブラシは手植えになります。
一般的に手植えブラシは機械仕込みと比較して値が上がります。
今のところ、①は確かに使用していて「毛が抜ける」という感覚は分かります。
一番長く使っているということもありますが、確かに毛の根本部分の木材部分が多少隆起しています。
②のブラシもあまり気にはしてませんでしたが、磨いていると抜け毛はちらほら見られます。アマゾン等のレビューを見ていると、抜け毛を指摘している方が多いようです。
まだ寺沢ブラシを使用できていないため、この点は比較のしようが無いところです。
手植えのブラシが毛の抜けにくいブラシであるならば、長年使えるということになります。
ブラシを育てるという観点で考えると、当然長年使った方がブラシは育つわけですので、手植えブラシは育てることに適したブラシと言えます。
毛の長さ
測ってみましたが、③寺沢ブラシが最も長いです。
因みに②は2.2cm、③は2.5cmでした。
毛が長いことと短いことで、どのようなメリット、デメリットが出てくるかはよく分かりません。
短い方が力が伝わりやすいことから磨きやすそうな気がする反面、根本部分に強い負荷がかかるため、抜け毛が多くもなりそうです。
そう考えると、ある程度の長さがあり、なおかつコシがあるものが良いと考えられる気がします。
持ち手
持ち手の素材は値段に影響しそうです。
ただし、持ちやすさの方が磨くことに直結するため、この点は好みの形と大きさを選択すれば問題は無さそうです。
総合的に考えると、、、
文章を書いていて思ったのが、究極的には「毛が抜けにくく、コシがある」ブラシが、長年使用することができ、かつコシを保つことが出来るという点で、ブラシを育てる意味では良い豚毛ブラシと言えそうです。
そう考えると、値段が高いブラシには上記の条件に当てはまる要素が沢山含まれているため、その金額を投資する価値はありそうです。
長年使用することで、ブラシを育てる楽しみが湧くことが、良い豚毛ブラシを持つ一番のモチベーションになると思います。
そう考えると、他の手植えブラシと比較して安価で入手可能な手植えブラシである寺沢ブラシは、コスパに優れる豚毛ブラシと言えそうです!(大体手植えブラシは万を越えてきます)
上記を書いていて、これから育っていくことを想像し、非常にワクワクしています。
結局は何事も、こだわる意義としては「ワクワクするから」の一言に尽きると思います。
【SDGs】革製品のエイジングを楽しむ社会的意義
皆様SDGsはご存知でしょうか。
SDGsはsustainable development goalsの略で、2015年に9月の国連サミットで全会一致で採択されたもので、「誰一人取り残さない」をコンセプトとして、持続可能で多様性と包摂性のある社会のために設定された17の国際目標であり、それらを2030年に達成するためには「今、何をするべきか?」を逆算して行動に移す取り組みです。
17の目標には169のターゲット、232の指標が定められています。中にはチャレンジングなものも定められています。
個人的にはCSR(corporate social responsibility)と何が違うのかということが気になっていたのですが、CSRは企業がステークホルダーからの信頼を得るためにはどうすれば良いかを考え行動に移すものに対して、SDGsについては、17の具体的な目標が定められている点で違いがあります。
CSRは2000年代前半から取り組みが始まった一方で、SDGsは2015年に採択されたものであることから、CSRの方が歴史は古いです。(SDGsの前身も入れるとそうとも言えませんが…)
SDGsとCSRは方針が非常に近いことから、具体的な目標が定まっているSDGsに取り組むことで、CSRにも取り組むことに繋がるため、SDGsに積極的に取り組む企業が多いようです。
私はSDGsに特に詳しいわけではないのですが、業務上関わることがあり、少し興味を持っていた分野でした。
その中で、LASTの第18号を今更ながら読みました。
テーマは「革靴とサステナビリティ」です。
各革靴をSDGsの観点に照らし合わせるという、非常に面白い評価を行っています。
また、ジェイエムウェストンによる、使われなくなった同ブランドの革靴を回収し、ヴィンテージモデルに再生した上で販売するという取り組みが紹介されています。
openers.jp
こちらは、SDGsの17の国際目標の12番目として挙げられる「つくる責任、使う責任」に合致する取組みと考えられます。
ユニクロ等のアパレルブランドが、使用されなくなった自社製品を回収している点も、同じコンセプトの取り組みですね。
SDGsといえば、どうしても企業や団体などの大きな取り組みを想像してしまいがちです。(私だけならすみません。)
SDGsの大切な基本コンセプトととして、「誰一人取り残さない」ということがあります。
これには、「平等」という考えから、ジェンダー問題や貧困問題に還元される一方で、一人一人の個人がSDGsの目標達成に向けて意識的に取り組んでいくことが重要であるという意味もあると思います。
身近なところで言えば、エコバックを持ち歩くことや、フェアトレードの製品を積極的に購入することが挙げられると思います。
上記と同様に靴磨きも、立派なSDGsへの個人の取り組みと言えます。
一般社団法人日本皮革製品メンテナンス協会代表の小澤氏も、SDGsの12番目の目標に触れ、「1つのものを大切にケアし長く使い続けることが、持続可能な社会への貢献に繋がる」と述べられています。
つまり、革靴や革製品を大切にケアし、長年の経年変化を楽しむことも、1つのアイテムを長年使い続けるという点で、「つくる責任、使う責任」に則した立派なSDGsに対する取り組みと考えられるわけです。
このように考えると、なんだか靴磨きがとても高尚な趣味に思えてきます。
上記のような意義を考えると、革製品の経年変化を楽しむことがますます楽しくなってきます。
革靴を磨いてばかりで奥さんに怒られることも多々あるかと思いますが、「これはSDGsへの取り組みだ!」と言い返してやりましょう。
というのは冗談ですが、次の世代に対しても住み良い持続可能な社会を構築するためには、SDGsは非常に重要な考えだと思いますので、今回考えたことを機に、もう少し身近な個人の活動を意識して生活していきたいと思います。