【SDGs】革製品のエイジングを楽しむ社会的意義
皆様SDGsはご存知でしょうか。
SDGsはsustainable development goalsの略で、2015年に9月の国連サミットで全会一致で採択されたもので、「誰一人取り残さない」をコンセプトとして、持続可能で多様性と包摂性のある社会のために設定された17の国際目標であり、それらを2030年に達成するためには「今、何をするべきか?」を逆算して行動に移す取り組みです。
17の目標には169のターゲット、232の指標が定められています。中にはチャレンジングなものも定められています。
個人的にはCSR(corporate social responsibility)と何が違うのかということが気になっていたのですが、CSRは企業がステークホルダーからの信頼を得るためにはどうすれば良いかを考え行動に移すものに対して、SDGsについては、17の具体的な目標が定められている点で違いがあります。
CSRは2000年代前半から取り組みが始まった一方で、SDGsは2015年に採択されたものであることから、CSRの方が歴史は古いです。(SDGsの前身も入れるとそうとも言えませんが…)
SDGsとCSRは方針が非常に近いことから、具体的な目標が定まっているSDGsに取り組むことで、CSRにも取り組むことに繋がるため、SDGsに積極的に取り組む企業が多いようです。
私はSDGsに特に詳しいわけではないのですが、業務上関わることがあり、少し興味を持っていた分野でした。
その中で、LASTの第18号を今更ながら読みました。
テーマは「革靴とサステナビリティ」です。
各革靴をSDGsの観点に照らし合わせるという、非常に面白い評価を行っています。
また、ジェイエムウェストンによる、使われなくなった同ブランドの革靴を回収し、ヴィンテージモデルに再生した上で販売するという取り組みが紹介されています。
openers.jp
こちらは、SDGsの17の国際目標の12番目として挙げられる「つくる責任、使う責任」に合致する取組みと考えられます。
ユニクロ等のアパレルブランドが、使用されなくなった自社製品を回収している点も、同じコンセプトの取り組みですね。
SDGsといえば、どうしても企業や団体などの大きな取り組みを想像してしまいがちです。(私だけならすみません。)
SDGsの大切な基本コンセプトととして、「誰一人取り残さない」ということがあります。
これには、「平等」という考えから、ジェンダー問題や貧困問題に還元される一方で、一人一人の個人がSDGsの目標達成に向けて意識的に取り組んでいくことが重要であるという意味もあると思います。
身近なところで言えば、エコバックを持ち歩くことや、フェアトレードの製品を積極的に購入することが挙げられると思います。
上記と同様に靴磨きも、立派なSDGsへの個人の取り組みと言えます。
一般社団法人日本皮革製品メンテナンス協会代表の小澤氏も、SDGsの12番目の目標に触れ、「1つのものを大切にケアし長く使い続けることが、持続可能な社会への貢献に繋がる」と述べられています。
つまり、革靴や革製品を大切にケアし、長年の経年変化を楽しむことも、1つのアイテムを長年使い続けるという点で、「つくる責任、使う責任」に則した立派なSDGsに対する取り組みと考えられるわけです。
このように考えると、なんだか靴磨きがとても高尚な趣味に思えてきます。
上記のような意義を考えると、革製品の経年変化を楽しむことがますます楽しくなってきます。
革靴を磨いてばかりで奥さんに怒られることも多々あるかと思いますが、「これはSDGsへの取り組みだ!」と言い返してやりましょう。
というのは冗談ですが、次の世代に対しても住み良い持続可能な社会を構築するためには、SDGsは非常に重要な考えだと思いますので、今回考えたことを機に、もう少し身近な個人の活動を意識して生活していきたいと思います。