靴好きサラリーマンの徒然草

革靴に魅せられた30代理系サラリーマンが、革靴を中心とした経年変化を記録する雑記です。

【靴磨き】クレム1925はクレム1925で落とすのがいいらしい

靴クリームには大別して乳化性クリームと油性クリームがあると思います。


乳化性クリームは栄養補給や保革と艶出し、油性クリームは主にワックスとして、鏡面磨きに使用されます。


鏡面磨きは、屈折が入る箇所に施すとヒビ割れてしまうことから、硬質であるトゥとヒールに施すもので、全体的には使用出来ません。


そこで、あたかも乳化性クリームのように靴のライニング全体に使用可能なのがクレム1925です。


クレム1925は、油性クリームであり、ビーズワックス、カルナバワックス、シアバターが含まれています。
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油性クリームながら、ワックスと比較すると非常に伸びやすく、なおかつ栄養分や保革成分も含有されることから、乳化性クリーム同様に使用出来ます。


ワックス成分も含んでいることから非常に綺麗な艶が出るため、多くの方もクレム1925を乳化性クリームとして愛用されているのではないでしょうか。


一方で、馴染むワックスのような性質を持つクレム1925は、なかなか落ちづらいところがあります。


個人的にはステインリムーバーを使用することでまぁ落ちるだろうと思っていたのですが、水性のクリーナーを使用してもワックスによる鏡面磨きが充分に落ちないのと同様に、油性クリームであるクレム1925も充分落ちないようです。


落ちきらないと何が起こるかというと、革内に染み込んだクリームが酸化してしまい、革に悪影響を与えてしまうとのことです。


私のBALLY scribeは乾燥しがちですが、長らくクレム1925で手入れをしていたことから、古いクリームが充分に落ちきっていないことが原因な気がします。(大雨に何度か打たれたことも大きいですが…)
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(クラックライクな皺も出てきている始末…)


では、どうやってクレム1925を落とせば良いのか?



それは、クレム1925でケアした靴は、クレム1925のニュートラル(つまり色無しのクレム1925)で落とすということのようです。


クレム1925のニュートラルには有機溶剤が含まれていることから、ワックスを落とす際など、ある種のクリーナーとして使用出来るのは有名な話です。


有機溶剤が含まれる上に、クレム1925と同成分が含まれることから、古いクレム1925が新たに塗ったクレム1925に溶け込むことで落ちていくようです。


そのため、クレム1925でケアした革靴をケアする場合には、クリーナーを使う前に、クレム1925ニュートラルを塗る→クリーナーで落とす→クレム1925ニュートラルを塗る→クリーナーを落とす…のフローを何度か行う必要があるようです。


鏡面磨きを落とした状態のBALLY scribeで早速やっていきます。
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①クレム1925ニュートラルを全体に薄く塗布
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②豚毛ブラシでブラッシング


③ブートブラックのツーフェイスローションで全体を優しく落とす
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今回は水性リムーバーの中でも比較的強めなツーフェイスローションを使用してみました。


強めといっても、ガシガシ擦らなければ、特に銀面を傷つけることは無い様です。


ガシガシ擦ると銀面が傷つくのはどのリムーバーも同じですので、ツーフェイスローションは革にダメージを与えるほどのものでは無いと考えて差し支え無いと思います。


ただし優しく使ってあげましょう。


①〜③のサイクルを3回ほど繰り返しました。


④リッチモイスチャーで保湿
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クレム1925は油性クリームのため、乾燥が大敵です。そのため、塗布前にリッチモイスチャーで充分に
保湿しておきます。


⑤クレム1925を塗布
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指で薄く塗りましょう!人差し指をクレム1925表面に軽くタッチする×2回で靴1足全体に充分に塗布可能です!
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⑥豚毛ブラシでブラッシング後、余分なクリームを拭き落とす
クレム1925の場合は厚塗りすると、ワックスと同じでシワが入るとヒビ割れます。
そのため、余分なクリームもしっかり落としましょう。


⑦鏡面磨き+フィニッシングブラシでブラッシング


⑧完成!
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タピールレーダーオイルを使用してモチモチ感が復活したと思っていましたが、私の靴磨き方法に問題があり、ダメージを与えていた可能性があるとは、まだまだ勉強不足を痛感しました。


これで復活してくれると良いのですが…


また、クレム1925を塗る→リムーバーで汚れを落とすの工程を何度か繰り返すことについても、革靴への負担が少し心配です。


鏡面磨きを落とす際のフルメンテを行う際に行うくらいの頻度が良さそうです。


そのため、普段のお手入れはツーフェイスローション→リッチモイスチャー→クレム1925→鏡面磨きの工程を行い、フルメンテを行う4ヶ月に1回くらいの頻度でこの工程を行ってみて様子を見たいと思います。


失敗を繰り返しながら学んでいくしか無いという点、靴磨きは非常に奥深いです。