靴好きサラリーマンの徒然草

革靴に魅せられた30代理系サラリーマンが、革靴を中心とした経年変化を記録する雑記です。

【旧旧旧チャーチ】都市なしチャーチ メッセンジャー

以前、旧チャーチについて記載致しました。

kutsu402647i.hatenablog.com


この度、新しくビンテージチャーチを入手したため、ブログに記載したいと思います。
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メーカー: チャーチ
モデル: メッセンジャー
ラスト: 82
サイズ: 7G


チャーチについては、年代が古くなるほど、ソックシートに記載された都市の数が減っていきます。


そこで、ソックシートの都市の数を確認してみます。


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都市の記載がありません。即ち、都市無しチャーチ、所謂旧旧旧チャーチです。


都市なしについては年代として、 1960年代からそれ以前の物になってくるため、そもそも数が少なく、状態が良い品物の入手が難しいです。


60年程前に製造された品であることから、経年的な革の皺は所々あるものの、比較的状態が良い物に出会えたのはラッキーでした。


ソールもまだまだ健在です。
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メッセンジャーというモデルについては、現在は廃盤になったようですが、旧旧旧チャーチ〜旧チャーチまで、長く存在していたようです。


特徴としては 82ラストであり、ストレートチップの中でも無骨な部類に入るコンサルと比較しても、ぽってりとしていて、より無骨な印象です。(コンサル持っていないので、73ラストのディプロマットとの比較です)
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他の黒のオックスフォードシューズと並べてみます。(向かって左からジョンロブ hampstead、チャーチ メッセンジャークロケットアンドジョーンズ オードリー3 )
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無エレガントです。


ストレートチップながらもカジュアルとして履けるんじゃ無いかってくらいです。


やはりこの年代の靴で本当に素晴らしいなと思うのは、言わずもがな、革質です。


肉厚かつプルップルな革質は、見て触って思わずヨダレが出てしまいます。(真の変態ですね)
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今すぐにでも履いて出かけたい衝動に駆られますが、どうにも履くことに抵抗を覚えてしまいます。


デッドストックほど履くのに抵抗はありませんが、こちらも履くというより見る専門の靴になってしまいそうです…


革靴は履いてなんぼだと思うのですが、どうにも履くに履けない自分がいます…


旧チャーチ、旧旧旧チャーチを入手出来たため、旧旧チャーチも欲しいところですが、懐的にも収納的にもそうポンポンと買える物ではないため、かなり状態が良くジャストサイズでない限りは購入を控えたいと思います。


その前にそもそも現行品のチャーチを持っていない点もツッコミどころです。



他のビンテージ靴についての投稿はこちら

kutsu402647i.hatenablog.com


kutsu402647i.hatenablog.com


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【フローシャイム】1950年代パンチドキャップトゥ

ビンテージシューズとしては、フローシャイムや旧チャーチなどについて、本ブログでも度々触れてきました。


kutsu402647i.hatenablog.com

kutsu402647i.hatenablog.com


今回、新しくFlorsheimのビンテージシューズを入手したので、掲載したいと思います。


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フローシャイムの1950年代のパンチドキャップトゥです。


経年による革の変化は所々にあるものの、幸運にもデッドストックで入手することができました。


タピールレーダーオイルで保湿兼汚れ落とし後に、リッチドモイスチャーを全体に塗って軽く磨いただけでこのツヤです。


ビンテージ靴は、年代が古くなる程革質も良くなることが言われていますが、さすがは50年代というだけあり、うっとりしてしまうような素晴らしい革質です。


フローシャイムのグレードとしては、レギュラー、インペリアル、ロイヤルインペリアルがあります。


この辺りはソックシートやインソール内の小窓を見ればその旨記載があるため、判別可能です。


例えばインペリアルはこんな感じ。(私が有しているものはソックシートの記載が消えてしまって、かなり見えにくいですが…)
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今回の物は、ソックシートに「Reg」の記載があり、小窓にもインペリアルやロイヤルインペリアル等の記載が無いため、恐らくレギュラーラインでは無いかと思います。
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レギュラーラインでこれだけの革質ということが何ともびっくりです。70年程前の靴とは思えない艶感です。
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経年によって劣化はありますが、ソールもまだまだ綺麗です。

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パンチドキャップトゥにヒドゥンチャネルで仕上げられたレザーソウルがエレガントさを増長します。


以前ブログでも触れましたが、フローシャイムはインソールに記載されているアルファベットや全体の特徴から、年代判別が可能です。

kutsu402647i.hatenablog.com


アルファベット表記以外の数字の意味合いとして、インソール内の数字でメジャーなモデルを特定可能です。


例えば、フローシャイムの中でもビンテージ靴として特に人気がある、インペリアルラインの「kenmoir」(未だにケンムーアかケンムールかどちらが正しいのか分かりません…)は「93602」の製造番号を良く見かけます。vcleatさんのブログを見ると、92604も多いようです。


vcleat.com


そこで今回のインソールを見てみると……


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アルファベット二文字による製造年月がありません。


一方で、製造番号らしき表記がS1076となっています。


どうやら、この「S」という表記が入っているものが、50年代であるという証拠のようです。


なおかつ、vcleatさんのブログを拝見すると、インソールの数字が黒字での記載の場合も50年代である可能性が高いとのことです。(60年代以降は白か金での記載)


このような年代判別の楽しさもビンテージ靴の楽しさの一つです。


直ぐにでも履いて外に出かけてしまいたい気持ちですが、デッドストックのため履くのを躊躇ってしまう点が悩ましいです…


いずれにせよ、大切にケアしていきたいと思います。

【旧チャーチ】三都市 チャーチ ディプロマット

以前、アメリカビンテージ靴の代表例であるフローシャイム インペリアルについて記載致しました。


kutsu402647i.hatenablog.com


上記の中で、ビンテージ靴としてのチャーチについても少しだけ触れましたが、今回、所謂三都市表記の「旧チャーチ」を入手したため、ブログにまとめたいと思います。


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メーカー: チャーチ
モデル: ディプロマット
ラスト: 73
アッパー: アニリンカーフ
状態: 未使用に近い
サイズ: 6.5F


こちらは、インソールのロゴがロンドン、ニューヨーク、パリの三都市表記となっている所謂「旧チャーチ」なるものです。

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ロンドン、ニューヨークの二都市表記が旧旧チャーチ、都市記載無しが旧旧旧チャーチであり、都市が少なくなる程、作成年代が古くなります。


チャーチは1873年にイギリスで創業した紳士靴メーカーですが、経営難に陥り、2000年にプラダに買収され、現在もプラダの傘下にあります。


ja.m.wikipedia.org


プラダの傘下となった現代においても、チャーチら英国を代表する紳士靴であることは言うまでもありません。しかし、革靴好きの中では買収される前のチャーチを懐かしむ声が多くあることも事実です。


その理由は、木型と革質にあるようです。


【木型について】
今回購入したものは73ラストです。


チャーチでは、長きにわたり73ラストが代表モデルに使用されていたものの、買収後に73ラストは廃止され、現行の173ラストに切り替えられたようです。


一方で、73ラストには復活を待望する声も多く、たまに復刻モデルが発売されているようです。


73ラストの特徴としては、「捨て寸がないこと」が挙げられます。


例えば、25cm表記の靴は、実際には25cmより大きいです。これは爪先部分に「捨て寸」として1、2cmの余白を残すようにしていることです。


73ラストではこの捨て寸がありません。そのため、サイズも少し大きめを選んだ方が無難です。


私は英国靴の場合、クロケットアンドジョーンズ オードリー3(ラスト: 367)とジョンロブ(ラスト: 7000)は6E、エドワードグリーン(ラスト: 202)に至っては5.5Fです。


一方で、今回のディプロマットは6.5Fで、ジャストサイズのため、数字からするとかなり大きめです。

そのため、もし73ラストを購入する場合には、0.5〜1.0ほど大きめを購入することをオススメします。


ちなみにですが、シューキーパーはサルトレカミエのSR100の39がジャストでした。
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【革質について】
買収前後でかなり異なるようです。


私は現行品のチャーチを有していないため、比較が出来ず、何とも言えませんが、確かに今回購入したチャーチの革質は素晴らしいです。


上記に掲載した写真は購入直後のものですが、アニリンカーフクリームで磨いてみただけで、下記様にツヤッツヤになります。
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さのはたの平紐を通してみました。(少し長くなってしまっている点はご愛敬)
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両足共に少しだけシワが入ってしまっていますが、運良く未使用に近い状態の物を手に入れることができ、かなり革が綺麗な状態であるため、これからまだまだエイジングが楽しめそうです。(詳しい方曰く、革が段々と濃くなっていくとのこと)


ビンテージ物ですが、こちらもしっかり経年変化をレポートしていきたいと思います!

【JOHN LOBB 半年の経年変化】ジョンロブ hampstead

最早購入してから7ヶ月程経ってしまいましたが、John Lobb HAMPSTEADの半年間の経年変化を見ていきたいと思います。


購入直後
kutsu402647i.hatenablog.com


3ヶ月後
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半年後
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一度大雨に降られてしまい、最高級のカーフを使用した柔らかい革質が仇となったのか、直後の型崩れが凄まじく、非常に後悔致しました。


何となく半年にしては深い皺が刻まれている気がするのはそのせいです。
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コードバンでなくとも、良い革質の靴程雨の可能性がある場合は履かない方が良いという非常に良い教訓になりました。(当たり前のことかもしれませんが…)



ただ、革質は流石は革靴の王様と称されるだけあり、非常にきめ細かい革質が見ていて癒されます。例えばクロケットアンドジョーンズのオードリー3と比較しても、きめ細やかな革が生み出す光沢は、John Lobbに分があります。


右: オードリー3、左: ジョンロブ hampstead(写真で見るとあまり変わらない様に見えますが…)
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最近は汚れ落としとしてツーフェイスローション、乳化性クリームとしてコロンブス東急ハンズのコラボレーションクリーム(コスパ良し!)、ワックスとして下地にサフィールビーズワックス、その上からリンカーンワックスを使っています。
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半年間履いた履き心地

サイズは6E、ラストは7000です。


ジョンロブの7000ラストは2001年に登場したラストであり、ストレートチップの最高峰として誉高いシティ2や、上級ラインであるパンチドキャップトゥのフィリップ2でも使用されている名ラストとされています。


何よりもまず言えることは、カカトが超緩いです。というよりカカトを入れる履き口がめちゃくちゃ広いです。


日本人のカカトは小さめと良く言われており、私の足は取り分け細い部類なので、クロケットアンドジョーンズのオードリー3でもカカトが浮く感覚が少し気になっていましたが、その比では無いです。下記の同じ6Eであるオードリー3と比較すると、カカトを入れる部分の広さの違いが良く分かります。
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そのため、シューレースをキツめに縛って履いていますが、これがまた足の甲が痛くなるのです。


オードリー3と比較してみると、オードリー3の方がアイレット部分から履きジワが入っている部分にかけて、緩やかに下がってきていることが分かります。


John Lobb hampstead(アイレット部分から一気に下降しており、履きジワの入る部分の高さが低い)
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クロケットアンドジョーンズ オードリー3(アイレット部分からストレートチップ部分にかけて、なだらかに低下している)
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COVID19の影響下でそこまで履けていないため、この点は今後革が伸びてフィットしていくことに期待です。


勿論足の形は人それぞれですので、以上で述べた着用感は一概に日本人全員に当てはまるものではありません。


一方で、やはり高価な靴ですので、購入する際には必ず試着の上、上記のポイントを確かめてみてから購入することをオススメします。


ただ、やはり革靴の王様と言われる素晴らしい革質を誇るジョンロブですので、履いている時の高揚感は溜まりません。
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ノーサンプトンで手に入れた思い出の靴のため、今後も大切に育てていきたいと思います!

【Edward Green 半年のエイジング】エドワードグリーン sandringham

今年の1月末に購入したエドワードグリーン sandringhamのエイジングを記載したいと思います。


購入時はこちら
kutsu402647i.hatenablog.com


3ヶ月
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半年
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少し皺が入ってきてはいますが、コロナウイルスの影響で現状そこまで履けていないことから、あまりエイジングは進んでいない印象です。ただし、こちらは後述する革質の影響もあると思われます。


クレム1925のライトブラウンで全体を磨き、トゥとヒール部分はタバコブラウンのワックスを用いて、何ちゃってビンテージ磨きを施しています。
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半年間履いた履き心地

ラストはエドワードグリーンの名作ラスト202です。


202ラストは丸みを帯びていることから、非常に日本人の足に合うラストとされています。


その情報通り、johnlobbやクロケットアンドジョーンズで感じるかかとが浮く感じも無く、非常に足にフィットしており、履いていて心地良いです。


ただ、革質が肉厚なためか、歩く際の革靴自体の反り返りが少なく感じます。


その点で今のところ不自由した事はありませんが、あくまでも私見として少し躓き易いような感覚があり、補強のためにトゥスチールをつけていますが、それがまた躓き易さを増長している気がします。


半年間履いてみた革質

革質は「素晴らしい」の一言です。


肉厚かつ堅牢でありながら、革質が良いためか、きめ細やかな皺が入っています。
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艶やかな質感が見ていて心を癒されます!
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こちらはファクトリーショップで購入したアウトレット品ですので、少しブローグの穴が欠けていたりしますが、造りや革質については、流石はエドワードグリーンよろしく非常に上質で素晴らしいの一言に尽きます!(ボキャブラリーが…)


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色合いとしても、まさに今後の経年変化が楽しみな一足です!

【馬毛ブラシ】コードバンシューズのお手入れに最適なブラシを手に入れました!

コードバンシューズのあたかも陶器のようなきめ細やかな革に皺が刻まれた様は、あたかも芸術品を眺めているような心地になる程美しいです。(出だしから変態アクセル全開です)


願わくば、そのきめ細やかな表面に少しでも傷が入らずに保ちたいものです。(傷が入るのも一つのアジだと個人的には思いますが。)


そこで悩ましいのは、どのブラシを使用して磨くかです。


靴磨き用のブラシとしては、埃落とし用の馬毛ブラシ、磨き用の豚毛ブラシ、仕上げ用の山羊毛ブラシがあり、山羊毛<馬毛<豚毛の順で硬くなることは皆様ご存知の通りです。
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(左から山羊毛、馬毛、豚毛)


もしかすると全く問題無いのかもしれませんが、コードバンの場合は硬質な豚毛ブラシでガシガシ磨いてしまうと、表面に傷が入ってしまうのでは無いかという多少の懸念があり、私は乳化性クリームを磨き込む際に豚毛ブラシではなく、馬毛ブラシを使用していました。


一方で、乳化性クリームで磨き込むにあたっては、馬毛ブラシではどうしてもコシが足りない点が気になっており、クリームが充分に浸透しているのかが不安でした。


そこで、馬毛ブラシと豚毛ブラシの中間くらいの硬さの物は無いかなとつくづく考えておりました。


ある日インスタグラムを見ていると、お洒落なブラシを投稿されている方がいらっしゃり、調べてみると、まさに探していたブラシを発見することが出来ました!

shoji-brush.shop-pro.jp


ショージワークスさんの馬毛ブラシです。


埃落とし用、靴磨き用のブラシをそれぞれ馬毛で販売されています。


靴磨き用のブラシは弾力性のある白毛馬の毛を使用しており、馬毛ブラシでありながら、コシのあるブラシとなっているようです。


上記サイトの説明を読むや否や、ポチりました。


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お洒落な箱が届きました。


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非常にお洒落なブラシです!


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毛の長さは3cm程度で、大きさの割には長めです。
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早速オールデン1339で試してみます。(前回磨いてから履いていなかったので、そもそも綺麗です。梅雨も挟んだので、一応お手入れしてみました。)
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下記道具を左から使用し、古いクリーム落とし、リッチモイスチャーで栄養補給、オールデン純正クリームで艶出しを行います。
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オールデンの純正クリームを指で塗りこんだ直後がこちら
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そしていよいよショージブラシの登場です。
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ブラシで磨いた後
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全工程終了後
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使用実感としては、馬毛でありながらもしっかりとしたコシと弾力性がある磨き心地で、しかしながら豚毛で磨く「ガシガシ感」はなく、柔と剛を適度に兼ね備えた、まさに求めていた磨き心地でした!


埃落とし用の馬毛ブラシを使用していた際でも、ブラッシング後にセーム革で余分なクリームを拭き取り、フィニッシングブラシを使用することで綺麗に仕上げることはできていたのですが、やはりブラッシング後にクリームの跡が靴表面に残っており、クリームがしっかり浸透しているのかが気になっていました。


今回、ショージブラシを使用することによって、クリームが靴全体に浸透していることが実感できます!


ブラシにこだわり出したのはごく最近なのですが、色々と違いがあり、奥深いです。


今後は豚毛ブラシについても、色々と試してみたいと思います。

【靴磨き】クレム1925はクレム1925で落とすのがいいらしい

靴クリームには大別して乳化性クリームと油性クリームがあると思います。


乳化性クリームは栄養補給や保革と艶出し、油性クリームは主にワックスとして、鏡面磨きに使用されます。


鏡面磨きは、屈折が入る箇所に施すとヒビ割れてしまうことから、硬質であるトゥとヒールに施すもので、全体的には使用出来ません。


そこで、あたかも乳化性クリームのように靴のライニング全体に使用可能なのがクレム1925です。


クレム1925は、油性クリームであり、ビーズワックス、カルナバワックス、シアバターが含まれています。
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油性クリームながら、ワックスと比較すると非常に伸びやすく、なおかつ栄養分や保革成分も含有されることから、乳化性クリーム同様に使用出来ます。


ワックス成分も含んでいることから非常に綺麗な艶が出るため、多くの方もクレム1925を乳化性クリームとして愛用されているのではないでしょうか。


一方で、馴染むワックスのような性質を持つクレム1925は、なかなか落ちづらいところがあります。


個人的にはステインリムーバーを使用することでまぁ落ちるだろうと思っていたのですが、水性のクリーナーを使用してもワックスによる鏡面磨きが充分に落ちないのと同様に、油性クリームであるクレム1925も充分落ちないようです。


落ちきらないと何が起こるかというと、革内に染み込んだクリームが酸化してしまい、革に悪影響を与えてしまうとのことです。


私のBALLY scribeは乾燥しがちですが、長らくクレム1925で手入れをしていたことから、古いクリームが充分に落ちきっていないことが原因な気がします。(大雨に何度か打たれたことも大きいですが…)
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(クラックライクな皺も出てきている始末…)


では、どうやってクレム1925を落とせば良いのか?



それは、クレム1925でケアした靴は、クレム1925のニュートラル(つまり色無しのクレム1925)で落とすということのようです。


クレム1925のニュートラルには有機溶剤が含まれていることから、ワックスを落とす際など、ある種のクリーナーとして使用出来るのは有名な話です。


有機溶剤が含まれる上に、クレム1925と同成分が含まれることから、古いクレム1925が新たに塗ったクレム1925に溶け込むことで落ちていくようです。


そのため、クレム1925でケアした革靴をケアする場合には、クリーナーを使う前に、クレム1925ニュートラルを塗る→クリーナーで落とす→クレム1925ニュートラルを塗る→クリーナーを落とす…のフローを何度か行う必要があるようです。


鏡面磨きを落とした状態のBALLY scribeで早速やっていきます。
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①クレム1925ニュートラルを全体に薄く塗布
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②豚毛ブラシでブラッシング


③ブートブラックのツーフェイスローションで全体を優しく落とす
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今回は水性リムーバーの中でも比較的強めなツーフェイスローションを使用してみました。


強めといっても、ガシガシ擦らなければ、特に銀面を傷つけることは無い様です。


ガシガシ擦ると銀面が傷つくのはどのリムーバーも同じですので、ツーフェイスローションは革にダメージを与えるほどのものでは無いと考えて差し支え無いと思います。


ただし優しく使ってあげましょう。


①〜③のサイクルを3回ほど繰り返しました。


④リッチモイスチャーで保湿
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クレム1925は油性クリームのため、乾燥が大敵です。そのため、塗布前にリッチモイスチャーで充分に
保湿しておきます。


⑤クレム1925を塗布
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指で薄く塗りましょう!人差し指をクレム1925表面に軽くタッチする×2回で靴1足全体に充分に塗布可能です!
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⑥豚毛ブラシでブラッシング後、余分なクリームを拭き落とす
クレム1925の場合は厚塗りすると、ワックスと同じでシワが入るとヒビ割れます。
そのため、余分なクリームもしっかり落としましょう。


⑦鏡面磨き+フィニッシングブラシでブラッシング


⑧完成!
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タピールレーダーオイルを使用してモチモチ感が復活したと思っていましたが、私の靴磨き方法に問題があり、ダメージを与えていた可能性があるとは、まだまだ勉強不足を痛感しました。


これで復活してくれると良いのですが…


また、クレム1925を塗る→リムーバーで汚れを落とすの工程を何度か繰り返すことについても、革靴への負担が少し心配です。


鏡面磨きを落とす際のフルメンテを行う際に行うくらいの頻度が良さそうです。


そのため、普段のお手入れはツーフェイスローション→リッチモイスチャー→クレム1925→鏡面磨きの工程を行い、フルメンテを行う4ヶ月に1回くらいの頻度でこの工程を行ってみて様子を見たいと思います。


失敗を繰り返しながら学んでいくしか無いという点、靴磨きは非常に奥深いです。