豚毛ブラシを値段別に比較してみる
靴磨きについては、ホコリ落としに使う馬毛ブラシ、靴クリームを馴染ませるために使う豚毛ブラシ、仕上げに使う山羊毛ブラシがあります。
山羊毛ブラシについては、以前少し記載させていただきました。
kutsu402647i.hatenablog.com
今回は豚毛ブラシです。
私が有している豚毛ブラシは下記です。
左から、 ①ハリスブラシ (1200円)、②コロンブスの豚毛ブラシ(3000円) 、 ③寺沢ブラシの豚毛ブラシ(最近新しく購入!)(5900円)
見事に価格がバラついています。少しだけそれぞれ紹介してみます。
①ハリスブラシ(1200円)
社会人になってから、リーガルの靴を購入した際に、馬毛ブラシと共に初めて購入した豚毛ブラシです。かれこれ5年くらい使っています。
当時は3万円の靴でも「高い!」と尻込みしたくらいなので、当時の私が今の私を見たら、果たして何を思うのでしょうか。
②コロンブスの豚毛ブラシ(3000円)
こちらは日本産の豚毛ブラシです。
持ち手の木材が日本産の山桜を使用しています。
「ブラシが育つ」という言葉が豚毛、山羊毛のブラシに対して良く使われますが、要は毛先に乳化性クリームやワックスが適度に馴染んでいるため、わざわざ乳化性クリームやワックスを付けずとも、そのブラシを用いて磨くだけでツヤが出る状態を指します。
このブラシは結構いい感じに育ってきているのではないでしょうか。
2年程使っており、主に茶系の靴に使っていますが、私が有する茶系のクリームはクレム1925のみのため、毛先のクリームはクレム1925純正です。
本当にこのブラシは育っているのか、検証の記事も今後書いてみたいと思います。
③寺沢ブラシの豚毛ブラシ(5900円)
インスタグラムを見ていると、使用されている方が多く、気になって最近新しく購入しました。
持ち手のデザインが何とも可愛いらしいです。
寺沢ブラシさんは、手植えでのブラシ作成にこだわった老舗のブラシメーカーさんです。
手植えブラシを使用するメリットとしては、機械仕込みと比較して、手作業で一穴ずつ毛を植え込んでいることから、毛が抜けにくいようです。
www.terasawa-brush.com
寺沢ブラシさんはインスタグラムもされているので、是非ご覧になってみてください。
instagram.com
ここからそれぞれのブラシを様々な角度から比較していきます。
毛の密度
当然毛の密度が濃い方が、磨く際の効率は良いわけです。
密度を比較すると、やはり最も値段の高い③寺沢ブラシが密度が濃いです。
また、密度が濃い分、触った感触としてコシは最も寺沢ブラシがあるため、磨きやすそうです。
毛の抜けにくさ
①ジャーマンブラシ、②コロンブスのブラシ双方に恐らく機械仕込みで、③寺沢ブラシは手植えになります。
一般的に手植えブラシは機械仕込みと比較して値が上がります。
今のところ、①は確かに使用していて「毛が抜ける」という感覚は分かります。
一番長く使っているということもありますが、確かに毛の根本部分の木材部分が多少隆起しています。
②のブラシもあまり気にはしてませんでしたが、磨いていると抜け毛はちらほら見られます。アマゾン等のレビューを見ていると、抜け毛を指摘している方が多いようです。
まだ寺沢ブラシを使用できていないため、この点は比較のしようが無いところです。
手植えのブラシが毛の抜けにくいブラシであるならば、長年使えるということになります。
ブラシを育てるという観点で考えると、当然長年使った方がブラシは育つわけですので、手植えブラシは育てることに適したブラシと言えます。
毛の長さ
測ってみましたが、③寺沢ブラシが最も長いです。
因みに②は2.2cm、③は2.5cmでした。
毛が長いことと短いことで、どのようなメリット、デメリットが出てくるかはよく分かりません。
短い方が力が伝わりやすいことから磨きやすそうな気がする反面、根本部分に強い負荷がかかるため、抜け毛が多くもなりそうです。
そう考えると、ある程度の長さがあり、なおかつコシがあるものが良いと考えられる気がします。
持ち手
持ち手の素材は値段に影響しそうです。
ただし、持ちやすさの方が磨くことに直結するため、この点は好みの形と大きさを選択すれば問題は無さそうです。
総合的に考えると、、、
文章を書いていて思ったのが、究極的には「毛が抜けにくく、コシがある」ブラシが、長年使用することができ、かつコシを保つことが出来るという点で、ブラシを育てる意味では良い豚毛ブラシと言えそうです。
そう考えると、値段が高いブラシには上記の条件に当てはまる要素が沢山含まれているため、その金額を投資する価値はありそうです。
長年使用することで、ブラシを育てる楽しみが湧くことが、良い豚毛ブラシを持つ一番のモチベーションになると思います。
そう考えると、他の手植えブラシと比較して安価で入手可能な手植えブラシである寺沢ブラシは、コスパに優れる豚毛ブラシと言えそうです!(大体手植えブラシは万を越えてきます)
上記を書いていて、これから育っていくことを想像し、非常にワクワクしています。
結局は何事も、こだわる意義としては「ワクワクするから」の一言に尽きると思います。
【SDGs】革製品のエイジングを楽しむ社会的意義
皆様SDGsはご存知でしょうか。
SDGsはsustainable development goalsの略で、2015年に9月の国連サミットで全会一致で採択されたもので、「誰一人取り残さない」をコンセプトとして、持続可能で多様性と包摂性のある社会のために設定された17の国際目標であり、それらを2030年に達成するためには「今、何をするべきか?」を逆算して行動に移す取り組みです。
17の目標には169のターゲット、232の指標が定められています。中にはチャレンジングなものも定められています。
個人的にはCSR(corporate social responsibility)と何が違うのかということが気になっていたのですが、CSRは企業がステークホルダーからの信頼を得るためにはどうすれば良いかを考え行動に移すものに対して、SDGsについては、17の具体的な目標が定められている点で違いがあります。
CSRは2000年代前半から取り組みが始まった一方で、SDGsは2015年に採択されたものであることから、CSRの方が歴史は古いです。(SDGsの前身も入れるとそうとも言えませんが…)
SDGsとCSRは方針が非常に近いことから、具体的な目標が定まっているSDGsに取り組むことで、CSRにも取り組むことに繋がるため、SDGsに積極的に取り組む企業が多いようです。
私はSDGsに特に詳しいわけではないのですが、業務上関わることがあり、少し興味を持っていた分野でした。
その中で、LASTの第18号を今更ながら読みました。
テーマは「革靴とサステナビリティ」です。
各革靴をSDGsの観点に照らし合わせるという、非常に面白い評価を行っています。
また、ジェイエムウェストンによる、使われなくなった同ブランドの革靴を回収し、ヴィンテージモデルに再生した上で販売するという取り組みが紹介されています。
openers.jp
こちらは、SDGsの17の国際目標の12番目として挙げられる「つくる責任、使う責任」に合致する取組みと考えられます。
ユニクロ等のアパレルブランドが、使用されなくなった自社製品を回収している点も、同じコンセプトの取り組みですね。
SDGsといえば、どうしても企業や団体などの大きな取り組みを想像してしまいがちです。(私だけならすみません。)
SDGsの大切な基本コンセプトととして、「誰一人取り残さない」ということがあります。
これには、「平等」という考えから、ジェンダー問題や貧困問題に還元される一方で、一人一人の個人がSDGsの目標達成に向けて意識的に取り組んでいくことが重要であるという意味もあると思います。
身近なところで言えば、エコバックを持ち歩くことや、フェアトレードの製品を積極的に購入することが挙げられると思います。
上記と同様に靴磨きも、立派なSDGsへの個人の取り組みと言えます。
一般社団法人日本皮革製品メンテナンス協会代表の小澤氏も、SDGsの12番目の目標に触れ、「1つのものを大切にケアし長く使い続けることが、持続可能な社会への貢献に繋がる」と述べられています。
つまり、革靴や革製品を大切にケアし、長年の経年変化を楽しむことも、1つのアイテムを長年使い続けるという点で、「つくる責任、使う責任」に則した立派なSDGsに対する取り組みと考えられるわけです。
このように考えると、なんだか靴磨きがとても高尚な趣味に思えてきます。
上記のような意義を考えると、革製品の経年変化を楽しむことがますます楽しくなってきます。
革靴を磨いてばかりで奥さんに怒られることも多々あるかと思いますが、「これはSDGsへの取り組みだ!」と言い返してやりましょう。
というのは冗談ですが、次の世代に対しても住み良い持続可能な社会を構築するためには、SDGsは非常に重要な考えだと思いますので、今回考えたことを機に、もう少し身近な個人の活動を意識して生活していきたいと思います。
【Alden 990】雨に降られたコードバンのお手入れ
なかなか外出出来ない昨今に長引く梅雨も相まって、なかなか革靴を履く機会を逸している今日この頃です。
そんな時に、久しぶりに外出する機会があり、「どの革靴を履こう」とルンルン気分で考えている中で天気予報を見ると雨ってこと、良くありますよね。
同様のことが何回か続き、ずっとパラブーツ アヴィニョンを履いていたのですが、ある日の出かける前に天気予報をみると、降水確率は20%の曇りでした。
同様の機会に結局降らなかったということが何回か続いたので、「エェーイいったれ!」と思い、最近全く履けていなかったAlden 990を履いて出かけました。
そんな時に限って雨って降るんですよね。泣
小雨ではあったのですが、ポツポツと雨に降られてしまった我がオールデン 990。
家に帰ってすぐに乾いた布で水分を拭き、ブートブラックのリッチモイスチャーを塗り、シューキーパーを入れました。
翌日見てみると、結局のところ毛羽立ちが起きていました。
一般的な皮革はコラーゲン繊維が複雑に絡み合っている一方で、コードバンは縦に整然と並んでいます。
その結果、非常に美しい質感が得られますが、その反面、水分によってコラーゲン繊維が起き上がりやすく、毛羽立ちが起きてしまいます。
そんなこんなで、復活を期待して、以下の手順でオールデン990を磨きました。
①水性クリーナーで古いクリームを落とす
結果として、より顕著に毛羽立ちが目立つようになりました。
②リッチモイスチャーで潤いを補充、そして馬毛ブラシでブラッシング
全体的な輝きを取り戻しましたが、まだまだ毛羽立ちは取れません。
③コードバン用のクリームを塗り込む
④ブラッシング前にカッサ棒を使い、コードバン全体をならす
使い方は下記ご参照です。全体的に同方向にならした後に、その方向と垂直になるようにもう一度全体をならします。先端部分で無く、必ずカッサ棒の横部分で行うようにしましょう。でないと、変な型がつきます。
⑤馬毛ブラシでブラッシング後、セーム革で余分なクリームを落とす
⑥フィニッシングブラシでブラッシング
⑦完成!
毛羽立ちが綺麗に直りました!
拡大しても毛羽立ちは認められません。
不幸中の幸いにして、小雨程度であったことから、カッサ棒でなんとか繊維を寝かせることが出来たようです。
小雨程度で済んだので良かったものの、大雨に降られた場合、どうなるのかは想像もつきません。
その点で、やはり雨予報の日は避けた方が無難です。
ただし、この時期は履きたくなる欲がどうしても出てきてしまい、失敗を繰り返しがちです…
早く梅雨が明け、なおかつ気兼ねなく外出できる環境になることを祈るばかりです。
【フィニッシングブラシ】熊野筆を用いたブートブラックの山羊毛ブラシ
靴磨き用のブラシといえば、埃落としに用いる馬毛ブラシと、靴クリームを浸透させる豚毛ブラシ、そして靴磨きの仕上げに使う山羊毛ブラシがあります。
毛の柔らかさとしては、豚毛、馬毛、山羊毛の順に柔らかくなる事は皆様ご承知おきかと思います。
山羊毛ブラシについては、靴磨きの全行程が終わった後に、全体を磨く際のフィニッシングとして使います。
馬毛、豚毛ブラシはシューケアに必須ですが、山羊毛ブラシに関しては、より綺麗に仕上げたい場合に持つという点で、必須ではありません。
一方で、日頃のシューケアとして、靴を履いた後に馬毛ブラシで全体の埃を落とした後に、山羊毛ブラシで全体をブラッシングすることで、結構輝きが戻ったりするので、持っておくメリットは充分にあります。
山羊毛ブラシを持つのであれば、毛が柔らかく、毛の密度が高い物をお勧めします。
というのも、安価な山羊毛ブラシを用いた場合、鏡面磨きを仕上げた後に磨くと、かえって鏡面を傷付けてしまうことがあるからです。(私の経験上、細かい毛の跡が入ってしまいます。)
そこで、私はブートブラックの熊野筆を用いたフィニッシングブラシを主に使用しています。
12000円と少しお高いブラシになります。重厚な箱に入っています。
中には熊野筆とは何ぞやと記載されたカードが。
Wikipediaによると、熊野筆は化粧筆としても海外で評価される日本の伝統筆のようですが、元々はOEMで生産していたのみで、そもそも国内で流通する国産筆の殆どが熊野産のようです。
ja.m.wikipedia.org
「熊野筆」のブランド名が冠された物が高級ラインに属するようで、その他の物との製法の違いなどは正直良く分からないところです。
ただ、このブラシ、感触がえげつなく気持ち良いです。柔らかい毛が高密度で均等の長さで張り巡らされ、なおかつ適度なコシもあり、顔に当てても気持ち良いくらいです。
3000円で購入した某メーカーの山羊毛ブラシと比較しても、毛の密度の差が見て取れると思います。
フィニッシングブラシと従来のブラシとの違いを確かめてみます。
クロケットアンドジョーンズ オードリー3の鏡面磨きをブラッシングしてみましょう。
右足を3000円程度のブラシ、左足をブートブラックのフィニッシングブラシで磨いてみます。
右足については、少し鏡面に細かい傷が付いてしまっています。(写真だと分かりづらいですが…)
一方で、左足については、鏡面に傷が入ることもなく、光沢を放っています。(心の目で見ましょう)
このフィニッシングブラシですが、 ①靴磨きの全行程終了後の全体のブラッシング、 ②日頃のシューケアとして、馬毛ブラシの後の全体のブラッシング、 ③財布や革小物類の日頃のケアとしてのブラッシングの3つに使っています。
特に②、③に関しては、ブラッシングでここまで変わるのかというくらいに効果があり、靴磨きがさらに楽しくなります。
ブラシで1万円を超えるとなかなか手を出し辛いところですが、値段分の価値はあると思います。
タピールレーダーオイルとステインリムーバーのどちらを使用すべきか?
靴磨きの最初の工程として大変重要なのが、ブラッシング後のクリーム落としかと思います。
最近だと、私はタピールのレーダーオイルを使用する事が多いです。
タピールレーダーオイルに含まれる成分はひまし油、なたね油、オレンジテレピンオイル、酢です。
タピールJapanのホームページを引用させて頂くと、それぞれ含有されている成分には、下記の理由があるようです。
ひまし油:深く浸透する(多分保革)
なたね油:深く浸透する(多分保革)
オレンジテレピンオイル:溶剤。ワックスも溶かせる。
酢: ワインビネガーを使ってるらしい。除菌効果
https://tapir.jp/
ひまし油は保湿に優れており、美容においてもひまし油石鹸として使用されているようです。
タピールレーダーオイルは、他のクリーナー同様に有機層と水層の2層に分離しています。(分かりづらいですが…)
溶剤であるテレピンは比重が水より軽いため、上層が有機層(ひまし油、なたね油、オレンジテレピンオイル)、下層が酢と考えられます。(多分)
タピールレーダーオイルと言えばタップタプの油分です。一方で、酢が入っています。一般的に酢は3ー5%の酢酸が水に溶けたものであるため、水分もちゃんと含まれています。上層と下層の比率を見てみると、全体の10〜15%が水分という感じでしょうか。
タピールレーダーオイルが有する効果としては、 ①汚れ落とし 、 ②保革の2点です。そのため、タピールレーダーオイルとステインリムーバーのどちらを使用すべきかの判断も上記2点を踏まえてとなる事でしょう。
結論としては普段使いはステインリムーバー、乾燥してきた靴や、新品で購入した靴はタピールレーダーオイルが良いと思いますが、①、②に則して考察していきます。
①汚れを落とす力
クロケットジョーンズのオードリー3を用い、右足をレーダーオイル、左足をステインリムーバーで古いクリームを落としてみます。
どちらも布に付けてみて、靴全体を拭くという行為を1回行ってみました。
タピールレーダーオイル
ステインリムーバー
あまり変わらないです。心なしかタピールレーダーオイルの方が少し良く落ちている気がします。タピールレーダーオイルはワックスもある程度溶かす事が出来るため、ワックスが付いた分、色が濃くなったと考えられます。
タピールレーダーオイルを使用した右足
ステインリムーバーを使用した左足
写真では分かりづらいですが、タピールレーダーオイルは油分が入ったことからマットな質感で、控えめな光沢です。
ステインリムーバーを使用した左足についても、クリームが落ちたことにより光沢は控えめですが、スッピンとなった事により、革本来が持つ光沢を放っています。
トゥ部分については、タピールレーダーオイルはワックスを少し溶かし、ステインリムーバーは溶かしていない事がわかります。
タピールレーダーオイル
ステインリムーバー
タピールレーダーオイルは付け過ぎに注意する必要があり、片足で精精2周くらいに留めるべきですが、それだけではワックスは落ちきりません。これ以上つけ過ぎるとベトついて危険と考えると、しっかりとワックスを落としたいのであれば、ハイシャインクリーナーを使うべきと思います。
そのため、クリームを落とす力としてはあまり変わらないと考えられ、使い分けの判断材料にはならないと思います。
*追記: タピールレーダーオイルに含まれるテレピンオイルは革に浸透しないことから、表面の汚れやクリームを落とすに過ぎず、皮革内に入ったクリームを落としたいならば、リムーバーを使用した方が良いようです。
②保革
やはりこちらがタピールレーダーオイルを使用するメリットです。
以前バリーのスクリーブの記事を綴った際にも書きましたが、乾燥している革靴に使うとモッチモチになるため、非常に重宝しています。
靴の汚れを落とした後にデリケートクリーム、あるいは乳化性クリームを塗りますが、レーダーオイルに関しては、塗った直後では豊富な油分から、革靴にクリームが入っていかないため、塗布後5〜6時間以上時間を空ける必要があります。
さらに、前述した豊富な油分によって、塗りすぎると革靴がベタベタになる点にも注意が必要です。
総合すると
タピールレーダーオイルを使うか、ステインリムーバーを使うかは、普段使いはステインリムーバー、乾燥してきたと感じた時はタピールレーダーオイルが良さそうです。
保革という点については、ステインリムーバーを使用した場合も、乳化性クリームで充分保革が期待できます。
レーダーオイルについては、使用後5〜6時間は空けないと乳化性クリームがちゃんと入らないと考えられることから、時間を置くのが面倒だという人にはオススメできません。
一方で、下記2つに該当する場合はレーダーオイルの使用をオススメします。
①革靴が乾燥し出したなと感じ始めたタイミングではステインリムーバーを使用してみることをオススメします。劇的に改善します。
②革靴のプレメンテを行う際もレーダーオイルが良さそうです。新品の靴ってどれくらいの頻度で手入れをされているか分からないため、乾燥している可能性が高いと思います。また、新品の靴は革が硬いため、革を柔らかくする意味でも良いと思います。
タピールレーダーオイルを購入してから、得られるモチモチ感によって、革靴を磨くのが益々楽しくなったと思います。私が重宝している理由はそこが大きいです。
革靴を育てていきたい!という人は是非持っておく事をお勧めします。
【FLORSHEIM IMPERIAL Kenmoir】素晴らしきビンテージシューズ
デニムしかりtシャツしかり、世の中には様々なビンテージ品があります。
当然革靴にもビンテージ品があるわけです。
ビンテージ靴を選ぶ理由としては、歴史ある靴を履く点で男心をくすぐることもさながら、やはりその革質の良さかと思います。
最近では動物愛護の観点から動物実験も余計な殺傷が行われないように、企業も数を絞って行っているかと思いますが、同じことが革製品にも言え、良い革質の革は年々高騰しているようです。
その辺りが緩かった過去の革靴の場合、同価格の現行品と比較すると、革質が圧倒的に良かったようです。
私が有しているビンテージシューズはFlorsheim Imperial Kenmoirです。
フローシャイムの面白い点は、年代判別が出来る点かと思います。
kutsu402647i.hatenablog.com
私が有しているフローシャイム ケンムーアは1963年製と推測されます。(希望的推測ありで1973年製の可能性あり)
幸運にも高円寺の古着屋に立ち寄った際に、バイヤーさんがアメリカから帰った間際で、店頭に並べる前のものを引っ張り出してもらい、かなり綺麗な状態の物をたまたま購入することが出来ました。(2万円でした)
製造されてから50年を越えるとは思えない程の綺麗さです。
そしてモッチモチの革質が最高です。ホント。
革質だけに留まらず、昔の靴って素晴らしいなと思うのが作りの細かさです。
よくよく見ると、ケンムーアは、すべての縫い目が2重に縫われていることが分かります。
同じフルブローグ外羽根のエドワードグリーンのS ANDRINGHAMと比べるとその違いが良くわかります。(この靴も私にとっては最高の靴ですが笑)
そしてこの縫い目の細かさです。そこまで頑張らなくて良いのにというくらい細かいです。
この革質でこのディテールは今新品で買ったらいくらするんだってくらいのクオリティです。
私はビンテージシューズとしてフローシャイムしか有していませんが、チャーチについてもインソールに記載されている都市の数が現行品の4都市よりも少ない物がビンテージ品として革質が良いとされ、都市数が少ないほど古く、革質も良いようです。
現行のチャーチと旧チャーチを、革質や作りの細かさについて、比較してみても非常に面白そうです。
旧チャーチについては、一時かなり探しましたが、状態の良い物が見つからず…(皆様一体どうやって発掘されているのですか〜!!)
ブログを書きながら情熱が復活してきたため、ネットサーフィンを強化したいと思います。
【ラミー2000】細かいギミックが詰まった4色ボールペン
数あるボールペンがある中で、個人的に非常に気に入っている一本をご紹介します。
LAMY ラミー 4色 ボールペン 油性 2000
LAMYといえば、ドイツの老舗ブランドです。
こちらのボールペンは、無くしては購入し、無くしては購入するというサイクルを3〜4回繰り返しています。(今は絶賛無くしてしまった周期)
このボールペンの素晴らしい点を3点紹介していきます。
①スタイリッシュなデザイン
非常にシンプルでスタイリッシュなデザインが魅力的です。
LAMY2000というボールペンは、1966年に登場したボールペンです。
「50年続くデザインを」というコンセプトの元考案されたデザインで、実際に50年経った今でも同シリーズが存在し続けている点で浪漫があります。
長年そのデザインを保ち続けるという点で、飽きの来ないデザインが非常に魅力的です。
②遊び心のあるギミック
遊び心のあるギミックが最も魅力的です。
普通の4色ボールペンは、下記様に、その色の部分を下に降ろすことで、色が出てきます。
あるいは、接続部分を捻ることで色を出すという物もあると思います。
一方で、LAMY2000には下に降ろすグリップも、捻ることで色が変わるという物でもありません。
ノックする根本に赤、青、緑の色が付いています。
なんと、赤色部分を上に向けてノックすると赤色が、青色部分を上に向けてノックすると青色が、グリップ部分を上に向けてノックすると黒色が出るという非常に面白い仕組みをしているのです!!
初めてこちらを購入した際にこのギミックを知り、非常に興奮したことを覚えています。
他には無い、非常に面白いギミックだと思います。
③4色が使用できるという便利さ
見た目としては、単色のボールペンくらいの細さですが、4色が使用可能です。
パソコンが普及した中でも、やはり資料をチェックする時などは、色が付いたボールペンがほしい物です。
その点で、4色ボールペンであり、かつゴツさも無いというボールペンは非常に利便性が高いです。
因みにですが、「海外のボールペンて替え芯が高いからちょっと…」と思われる方もいらっしゃると思います。
その点でこちらのLAMY2000の場合は国産の替え芯に相同性があるため、替え芯を1本50円で購入することができます。
nipponomia.com
以上、LAMY2000のご紹介でした。
また楽天ポイントが貯まったら懲りずに購入したいと思います。
これからもボールペンについてちょくちょく紹介していきたいと思います。