靴好きサラリーマンの徒然草

革靴に魅せられた30代理系サラリーマンが、革靴を中心とした経年変化を記録する雑記です。

30年代 デッドストックのブラックモールスキンのビンテージワークジャケットを育てる

革靴は好きですが、ファッション全体には疎い私です…


そんな私ですが、物が経年変化していく様が非常に好きなため、エイジングする素材には興味があります。


革靴から入り、その後革質を求めてビンテージシューズに手を出した結果、ビンテージの古着にも少し興味が芽生えつつあります。


そこで、最近手に入れたフレンチビンテージのワークジャケットを紹介したいと思います。



1930年代 デッドストック ブラックモールスキン ワークジャケット
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こちらは、フランスの労働階級の方々が身につけていたワークジャケットになります。


素材はモールスキンです。


ワークジャケットといえば、まずはデニム生地が思い浮かぶかと思いますが、デニムと言えばアメリカ。フランスではデニムの代わりにモールスキンなる素材が使用されていたようです。


因みにモールスキンとはmole(モグラ) skin(皮)という意味のようです。


モグラの皮を使用しているわけではなく、コットン100%ですが、モグラの皮のような風合いが出るほど濃く編み込まれた素材であるが故に、このように呼ばれているとのこと。


エイジングが進むと、独特の経年変化を楽しむことが出来る素材です。


フレンチビンテージのモールスキンジャケットといえば、所謂「那須紺」と呼ばれるブルーインクのジャケットがメジャーかと思います。


こんなの
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ブラックについては珍しいようで、近年ではデッドストックでは非常に手に入りづらいとのこと。


今回、フランス南部の老舗衣料品店が閉業になった際に、倉庫に眠っていた物がたまたま入荷したようで、ご縁があって入手することができました。


奇跡的にもジャストサイズです。
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ブラックについては特に綺麗なエイジングが期待できるようで、今後が楽しみです。


ディテールについて
フレンチビンテージの面白い点は、そのディテールから、おおよその年代判別が可能な点です。この点はflorsheimに通じるところがあります。


今回のワークジャケットは、倉庫で見つかった際に、年代別に分類されていた物の中で、「1930年代」の束に分類されていたとのことでした。


下記、全体的にYoutuberのゆーみん&きうてぃさんの動画で勉強させて頂き、年代判別について記しました。
youtu.be


まず、生地について、モールスキンはコットンを密度濃く塗っていることから、基本的に生地が分厚いです。


一方で、こちらはモールスキンとしては記事が薄めの「ライトモールスキン」に分類される物になり、こちらも30年代に良く見られるディテールのようです。


このライトモールスキンですが、とても感触が面白いです。


あたかもマッキントッシュのゴム挽きコートのように(ちょっと言い過ぎですが)、ゴムでも入っているのかと思うほど、ブルンブルンします。とても肌触りが良いです。


そして刺繍がVの形をしている所謂「Vポケット」の仕様となっています。
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こちらは色んな年代で見られるようで、あまり参考とはならないようですが、古い物で見られるもののようです。


また、ベークライトという素材のボタンが使用されています。
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こちらはアメリカ人のベークライトさんが1907年に発明したフェノール機能素材とのことで、1930〜40年代の物に良く使用されるボタンとのことです。(別冊 Ligtning ヴィンテージの教科書 完全版より)


そして下り襟なる、襟が下に向かってついています。
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こちらも20〜30年代に見られるディテールのようです。


因みにこちらのジャケットについては、衿の先が糸で固定されており、襟を立てることができない仕様になっています。


これは高所作業員が使用する用途で作成されたディテールのようです。恐らく強い風に襟がバタついてしまうのが邪魔だということですね。


そして内ポケットの上に、黒地に金の刺繍がされています。
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こちらも30-40年代に多いディテールとのこと。


以上のことを加味すると、1930年代でも、恐らく後半に製造された物と推測されます。


このように、ディテール一つ一つについて、背景があることが、ビンテージ品のとても面白い点ですね!


ビンテージ品ではありますが、今後10年、20年と着る中で、どのような経年変化をしていくのか、とても楽しみです!


既に試着はしてしまいましたが、来年も頑張ろうということで、2021年の1月1日に卸したいと思います。


ビンテージ革靴の投稿はこちら

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